「私のこと、受け入れてよ」
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摂食障害、特に過食嘔吐に悩まされていた クライアントのHさん（40代）
私とラインや電話、対面で話し始めて ４ヶ月後には摂食障害がなくなった。
それだけでなく、 他の面（内面の深いところ）でも 大きく変化が起こり始めた。
彼女に限らず、本来、人は 自分で良くなる力を持ってるんだ。
私は、そのことを彼女自身が自分で思い出す ためのお手伝い、引き出すきっかけを 作ったに過ぎない。
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彼女は、その当時、 風俗嬢をしていた。
風俗をしている理由は、 過食嘔吐によって月の食費が 15万円かかっているし 一人暮らしのため 家賃も光熱費もすべて自分で 払わなくてはいけない。
でも、「人が怖い」彼女は 会社勤め、フルタイムで働くこと 人と長時間、関わらないといけないこと それは避けたい。
だからと言って 実家には絶対に帰りたくない。
両親なんかと一緒に暮らしたら また地獄に戻される。
「お前は本当にバカだな」
「いい年こいて、 いつまでもフラフラして」
「早くちゃんとした仕事に 就いてちょうだい」
「あんたの服装、チャラついてて みっともない」
こういう言葉を日常的にかけられる。
そんな環境になんか、絶対に戻りたくない。
だから、本当は風俗も辞めたいけど 生きていくために辞められない。
「親御さんはどんな人？」
私から改めて質問した。
彼女いわく、 父親は、厳格だし細かくて面倒臭いけど、 おっとりしていて わりと穏やかな人 私のこと、多分嫌いじゃないと思う。
母親は「エキセントリック」な人。 とにかく言葉がきつい。 情緒不安定で、気性が荒い。 独断的。
きっと私のこと好きじゃないし、 こんな出来の悪くて扱いづらい子なんか 欲しくなかったって思ってると思う。
彼女は、母親に対して、
どうしてそんな傷つく言葉を言えるの？ どうしてそんなに私を落とすの？ なんで私のこと、認めてくれないの？ 私は、あなたの娘じゃないの？
何十回、何百回と そんな風に思ってきた。と。
また、 親からのそういったジャッジの多さから ”それ以外の友達や職場の人たちからも 同じようにジャッジされるんじゃないか？” と思ってしまい、休みの日は極力、人と会わない。
神社や緑が多くて空気の良い場所で 大好きなお酒（ビール）片手に 川べりやベンチに座って、ぼーっと半日過ごして ２匹の猫が待っているマンションへ帰り 過食嘔吐をして、夜、お酒で眠りにつく。
親の言うところの ”ちゃんとした仕事”に就けないこと 弁護士になれなかったこと 仕事が長く続かないこと 風俗をやっていること 親を安心させられないこと 経済的に不安定なことによって、 自分に価値を感じられない。
それに、このままずっと、 食べる吐くのために 一人で暮らし続けるために 借金を返し続けるために この生活を続けるのか・・・？ ずっと・・・？
そんな風に 死にたくなるほどの将来への不安を感じていた。
彼女は、とことん自分を責めていた。
摂食障害は、彼女のそういった 深いところからくる不安感、寂しさ、 孤独感が現れているだけなんだけど 「自分は病人だ」と思っていた。
いろんなクリニックや専門サイトで 過食嘔吐を辞められないか調べたりしたけど 「お前らに、私の苦しさ、分かってたまるか。」 と、余計に遠ざかったりもしたらしい。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ でも、私は、 「この人は、変われるから大丈夫だな。」 という、確信に近い感覚があった。
誤って身につけた思い込みやセルフイメージを取り払ったり 安心感を感じられるようにしたり いくつか課題はあるにせよ 彼女は絶対に良くなるなぁって思った。
だって、彼女は、素直だし 心が綺麗だったから。
こんなに純粋で優しい人、 この世にまだおったんかい。
（まあ、本当は、どんな人も同じなんだけどね。）
お父さんに喜んでほしかったわけでしょ？ だから、お父さんの”弁護士になってほしい”を 叶えてあげられなくて、自分を責めたし お母さんに認めてほしかったし、 受け入れてほしかったんでしょ？
「あなたのその個性的な感性、すごく良いね」 って、ただ言ってほしいだけだったんだよね。
一番奥に存在している たった一つの本音 「私のこと、ジャッジしないで。」 「私のこと、受け入れてよ。」 それを伝えることが、怖くてできなかった。
本来の問題は、そこだけだったんだよ。
あまりにも優しすぎる無防備さが 自分の身を滅ぼす方向に 働いてしまっているだけだなって感じた。
なんというか、これは個人的な 私の想いなんだけど、
心が綺麗な人、純粋な人、優しい人が 傷ついたり、苦しめられたり、歪んだりする 世の中じゃ、ダメだよね。
そういう人にこそ、幸せになってほしいし 私はそういう世界を創る手伝いをしたい ってよく思うんだ。
なんだったら”使命”くらいにも感じるのさ。
そしてね、彼女は、
「人のことを、褒めたり認めてあげることができる人」
だとも感じた。
人を褒められる、人の良さを認められるなら、 その矛先を、他人から自分へシフトしてあげるだけ。
そういう人は、良くなるのが早い。 現実の変化も起こしやすい。
ところで。 メンタルトレーニングにおいて、
・相手とラポール（信頼関係）を築く ・相手に共感して安心感を与えてあげる
といったことは もちろん前提に必要なんだけど
やっぱり、
相手のエフィカシーを高めてあげる
ってのが、すごく大事。
（この記事もご参考に↓）
自分には価値があるし 自分は大切にされて良いし 自分で自分のことを変えられるんだ！ ということを 深い部分で自覚させてあげること。
細々と伝えたら 他にも意識していたことはあるけど 私が彼女にやり続けたのは 基本的にこれだけ。
スコトーマを外す
なんて表現も、同じかもしれないね。
ではでは、いよいよ、 ４ヶ月後の彼女はどのように激変したのか？
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